公開:2023.03.28 10:20 | 更新: 2023.04.07 08:17
開催日:23年3月25日
小中学生を対象に、下水道や水に関するお仕事をしているプロを講師に招いてお話を聞くシリーズ「プロに学ぶおしごと講座」を開催しました。
今回は、大阪市建設局 下水道部施設管理課の上杉さんに、身近にあるのに知らないことが多い「マンホールのふた」のことをたっぷり教えていただきました。
上杉さんは下水道全般はもちろん、マンホールに携わるお仕事を長年されてきてマンホールについてとても詳しい方です。
まずは、マンホールの基本のお話から。
ここで問題です。みんなが「マンホール」と呼んでいるのはどの部分でしょう?
「上の黒い部分!」と答えてくれた子もいましたが、正解は…グレーの筒の部分全体を指すんですね。
意外と知られていないことも多く、道路に丸く見えている部分は「マンホールふた」と呼びます。
その構造について、イメージしやすいようにビンについているコルクのふたや鍋のふたを使っての説明がありました。
今やよく見かけるデザインマンホールふたにも、凹凸がしっかりとある「全面鋳型(いがた)タイプ」と、凹凸がない「デザインプレートタイプ」があるんですね。
「全面鋳型タイプ」の方が味わい深く、マンホールマニアに人気だそうです。
また、デザインマンホールふたはなぜ水道のマンホールには少なく、下水道のマンホールに多いのかのお話も。
下水道事業はイメージアップのために積極的にデザインを施し、水道事業は衛生が第一であり、テロ等で汚染されないよう目立たないようにという意味もあって、デザイン性は必要ないとのこと。納得です。
続いて、最近ますます「マンホールふた」に注目が集まっている事例をご紹介。
アニメキャラクターやユーチューバーもデザイン図柄になっていたり、テレビ番組でも多数マンホールふたやマニアの方が紹介されています。
みんな、知ってるキャラクターの登場に「うんうん」とうなずいていました。
過去にはマンホールふたを使って鉄板焼きが行われたことにはみんなびっくり。もちろんそのためにつくられた特別なマンホールふたです。
次のパートでは、マンホールグッズについてのあれこれをご紹介。
当館でも人気のマンホールカードだけではなく、Tシャツからどら焼きまで、様々なグッズがあります。
グッズのお話が出たところで、「マンホール拓(たく)」のワークショップをしてみんなにもオリジナルグッズを作ってもらいました。
会場には実際のマンホールふたを3枚置いて、インクを付けてトートバッグに写し取ります。
休憩中も、みんな興味深々で自分からマンホールふたを見たり触ったりしに来てくれました。叩いてみると、鉄琴みたいないい音がして、これは担当の方も知らなかったようです。
「大阪城デザイン」と「テーパータイプ」の2種類の図柄と2色のインクの中から好きな組み合わせを選んでもらいました。ふたの好きな場所を写し取ってもらったので、みんなそれぞれ違った柄になっていて、とても嬉しそうでした。
乾かしている間に、まだまだ面白いお話は続きます。
次は「大阪市のマンホールふた」について。
大阪市のマンホールふたの移り変わりを聞きましたが、より安全に改善されているのがよくわかりました。
そしてよく見かける大阪市のデザインマンホールふたは、なんと小学生からの市長への提案が採用されてできたそうです。
他にも、光るものやラバーダッグデザイン、そして、当館地下1階にも展示している「キン肉マン」デザインのマンホールふたについてもいろんなことを教えてもらいました。
マンホールふたができるまでの動画も、みんな楽しんで見てくれました。
ここには書ききれないほどマンホールふたにまつわるたくさんのお話がありましたが、みんな最後まで真剣に聞いてくれて、とても興味があるのが伝わってきました。
参加したお子さんからは「マンホールふたのことをすみずみまで知ることができた」「歴史も知ることができて良かった」「修学旅行の時などにマンホールふたをさがしたい」など、感想をたくさんいただきました。
これから道にあるマンホールふたの見え方も違ってきそうですね。見るときは車に気を付けて、ぜひ今回聞いたお話を思い出してね!