大阪市下水道科学館

イベントレポートEVENT

  • 2023年3月
  • 大人
  • みんなの社会見学

公開:2023.03.14 06:18 | 更新: 2023.09.28 10:29

海老江下水処理場 新施設見学会(23年3月7日)

イメージ画像イメージ画像

開催日:23年3月7日

現在工事が進んでいる海老江下水処理場の新水処理施設の見学会を開催しました。
当館に集合頂き、まず冒頭に新水処理施設の事業を請け負っている企業の方々よりレクチャーをしていただきました。

はじめは大成建設株式会社様から、新しい水処理施設の工事の概要や今回見学する場所の説明をいただきました。

レクチャー時の様子
はじめに新施設の工事概要をレクチャー頂きました

海老江下水処理場は現在稼働中である当館向かいにある1系および2系、そして現在工事中の3系、の3つの処理施設からできています。今回見学する3系水処理施設は、老朽化した1系水処理施設に代わる施設として建設されることになりました。
ドローンで撮影した建物全景やトンネルを掘る巨大な掘削機は写真でも迫力が伝わってきました。工事過程を知って、その規模の大きさを感じることができました。

レクチャー時の様子
これがシールドトンネル!

続いて、メタウォーター株式会社様より下水処理方法について、基本的な下水処理方法や、3系で採用する最新の処理方式についてお話しいただきました。

レクチャー時の様子
下水ってどうやってキレイになっているんでしたっけ

この3系では高速ろ過システム+MBR(膜分離活性汚泥法)/A2O法のハイブリッド方式を日本で初めて導入します。このハイブリッド方式の採用により、ゲリラ豪雨などの急激な水処理量の増加に余裕をもって対応できるようになるとのことです。大阪市は水の都とも呼ばれ元来海抜が低いため、水害から守るためにも先進的かつ重要な取り組みとなりそうです。
また、周辺には既設の水処理施設の他、住宅やショッピングセンターなどがありますが、最新の処理方式では限られた空間でもコンパクトなスペースでの処理を実現しています。

企業レクチャー時の様子
これがハイブリッドの新処理方法なんですね

さて、新施設についてしっかり知識を得たところでいよいよヘルメットを装着して出発!
…といっても、最初の見学施設は当館すぐ横の施設なので徒歩1分の近さでした。

移動時の様子
徒歩1分の現場です

工事現場に入って仮設階段を上がり、まずは新水処理施設の屋上へ。


こちらは運転を始めると屋上が公園になる予定になっており、大阪市民としても完成が楽しみな、かなり広さを感じる大きな公園となる広い空間でした。

見学会時の様子
上部に少しだけ大阪市下水道科学館が見えています
記念写真1
記念写真を撮りました

その下にある水処理施設へと進みます。
こちらは完全に建物の中に納まっており、新施設が完成したら見ることができない、今しか見られない場所の見学になっています。ドキドキが高まります。

今回見学した水処理施設の地下階は、水処理の工程でいうとMBR(膜分離活性汚泥法)の設備の少し下になるそうで、当館地下1階のMBR方式の見本展示を普段から見る館スタッフはここにそんな膜がこれから入るのね…!と更にドキドキが増しました。

見学会時の様子
見上げる参加者のみなさま
見学会時の様子
高さと広がりが伝わりますでしょうか

続いて、300mほど離れた場所にある、淀川駅至近の到達立坑(たてこう)の見学をしました。

現場間の移動時の様子
300mの現場を移動します
大迫力です!

やっとたどりつくと「シールドトンネル」と呼ばれるポンプ棟・水処理施設をつなぐ水の通り道が広がりました。
ここから最初に見学した水処理施設まで水が運ばれます。少し左側に曲がっていくカーブが何とも印象的な場所でした。
また、トンネルの壁に使用しているCO2排出量を削減する環境配慮型の資材も見ることができました。

現場の様子
資材のことも教えていただきました
記念写真2
こちらでも記念撮影をしました

こちらの見学場所では多くの質問が参加者の方から出ていました。やはりモニター画面や紙などでは感じられない疑問が、率直に湧き上がってこられたのではないか感じました。

到達立坑
迫力ありますね!

さて再び地上に出るべく地下25mから工事用仮設階段を登ります。永遠に続くかのような階段の長さにスタッフは息も絶え絶えになりました。みなさま無事に階段を上がってくださりひと安心です。

最後に館まで戻り、改めて質疑応答の時間となりました。
お疲れのところ、みなさま積極的に質問をされていました。
一つだけ質問をご紹介すると、「地震対策はどうなっていますか?」という質問が上がっていました。
地震は地下25m、地上11mの高さでも安心して使えるように対策がなされているそうです。安心して運転開始の日を待つことができますね。

会場での質問応答の様子
質問が尽きませんでした

次回見学の機会は、4月4日(火)に新・小学4年生から見学頂ける機会をご用意しています。春休みのこの時期に巨大建築物が好きな子、親子で工事現場好きの方などぜひイベントページをご覧になって参加お申し込みください。

また、当館3階には今回見学した新しい水処理施設の模型があり、5階やB1階にも最新の水処理方法についての展示があります。今回ご都合が合わなかった方もぜひご覧ください。